とある田舎の居酒屋。

昭和初期を彷彿とする外観である。

決してお世辞にもきれいなお店とは言えない。

しかし、連日そのお店は行列。

なぜか?

 

お店に入る私。

店主はいつもこのように私を迎えてくれる。

「いつもどうも」

・・・連日行列が出来ているお店なのに「常連」の顔と名前をしっかりと覚えているのである。

「いつものでイイかい?」

「よろしく」

毎度、決まってこのようなやり取りをする。

店に行ってからメニュー表を広げ「なにを食べようかな~」とは考えない。

なぜなら、プロが「今日のおすすめ」を出してくれるからだ。

プロを信用し、信頼していればその日の「お勧め商品」を疑うことなんてナンセンス。

「じゃ、これ飲んで待ってて。」

「おまちどうさま。」

本日のおすすめ料理が次々と運ばれてくる。

頼んでもないのにその勢いは止まらない。

「これも食べてみて、旨いから」

「今日仕入れたばかりの魚だよ、食べてみ、旨いよ」

すべては店主任せのオレ。

最後にお会計をする。

「今日は2,000円でイイよ。」

テーブルいっぱいに並んだ料理。

食べきれないくらいに運んできてくれた店主。

それで・・・2,000円?

私は、その店にまた行くことを決意する。

いや、むしろ行きたくてしょうがない気持ちだ。

店主の笑顔。

店主の料理。

店の料金設定。

店主は最後にこのように言ってきた。

「●●さん、○○が好きみたいだから、新鮮なモノ入ったら連絡するよ。」

オレは、連絡先を教える。

 

・・・後日、連絡が入る。

「今日、入ったよ」

オレは、その日に「当たり前」に店に行くのである。

その時、沖縄旅行に行って買ってきたおみやげを持って・・・

「おっ!いらっしゃい、待ってたよ。」

「いつもありがとうね。」

そして、私はおみやげを渡す。

「これ沖縄旅行に行ってきたときのおみやげ。」

「ありがとう」

店主はそのおみやげを手に取った状態で私にこのように言ってきた。

「ちょっと重いからこっちまで持ってきてくれる?」

私は、おみやげを持って店主について行く。

そして、その部屋についたら、なんと・・・

部屋一面に「おみやげの山」。

店主はこのように言ってきた。

「好きなの持って行きな」

私は、部屋一面に広がるおみやげを見てビックリしていたが「あ、うん」と箱のビールを手に取った。

それを持って、店の中に戻ると1人の客が声をかけてきた。

「それ、私が持ってきたおみやげだよ」

・・・にっこりと笑みを浮かべていた。

 

それから、私は、おみやげを持ってその店に通い続けた。

おみやげの交換を求めて

店主のおすすめ料理を求めて

常連の笑みを求めて


↑ ↑ ↑

ここまで読んであなたは何か感じることが出来るか?

そして、どの部分が重要なのか?分かったか?

おそらく、どこにでもある話であり光景でもあるとは思うが・・・

つまり、ビジネスに上記を応用すれば誰でも成功できると私は言いたいのだ。