間関係やビジネスにおいてコミュニケーションなどを勉強すると必ず出てくるホーソン効果。実際に行った実験をもとに分かりやすく説明します。

ホーソン効果を利用して、社会やビジネスときには家庭の中で役立てて下さい。

ホーソン効果とは?

誰かに見られたり期待されたりすると自分の実力を発揮してしまうこと。他人の行動や言動に影響されて動いてしまう現象のことです。

一番分かりやすい例として、スポーツ選手が練習では出せなかった成績を大勢の観客がいる大会で結果を出すことがホーソン効果です。練習では頑張れなくても、人に見られるとつい頑張ってしまう。もっと簡単に言うと誰にでも経験がある、人に見られるとちょっといい格好をしたくなることです。

このホーソン効果は、アメリカのイリノイ州にある工場で行われた実験から発見されました。その工場の名前がホーソンです。

人から注目をされていることを意識させて、生産性を向上させるという実験から答えを得ることができた。その結果、人は損得があるかで行動するのではなく、他人に認められたいという思い・欲望で行動することがわかった。

世のサラリーマンの中で、仕事が楽しいとかこの会社を選んで良かったと言える人はどのくらいいるでしょうか。多くの人は、お金のために仕方なくやっているのが現状だと思います。どこかでサラリーマンだからと諦めている人もいるかもしれません。

会社を経営する側からすると、思うように仕事が進まないとか新人社員がきても辞めてしまうなど、ビジネスでのコミュニケーションができない人が多いです。しかし、ホーソン効果を使うことでそんな社員たちのモチベーションを上げることが簡単にできるのです。

人は、自分より優れた人、権力のある人に弱い傾向があります。魅力的な人とかカリスマ性のある人など。その先を進むと、そういった人に気に入ってもらいたいから指示に従い行動してしまう。上司や先輩、あるいは周りの人が関心を高めることができれば、良い結果が得られるのです。

少し違った視点から説明してみましょう。

学校での受業時間にもホーソン効果がおこっています。

よく受業をしながら「わからない人はいますか?」と質問をする場面があります。しかし、わからなくても手を上げて質問をしないという状況があるでしょう。この何とも言えない空気感で、わからなくても質問してはダメなんじゃないかという感情が出てくる。せっかく勉強を教えてもらったのに質問できない、この状況もホーソン効果からきています。

また医療で考えた時も同じような場面があります。病気を治療してくれる先生がいて、通院を続けている患者さんがいます。症状が前回と変わらず改善していなくても、先生の前になると少し改善したようなことを言ってしまう。少し気になる症状があっても先生には言わなかったり無意に判断したりすることもホーソン効果と言えます。

・・・色んなところでホーソン効果が関係していることが分かったと思います。

では、実際にホーソン効果をみつけるためにどのような実験をして何を知り得たのか。その実験についてお話したいと思います。

始まりは、作業をするときの照明の明るさと生産性との関係性を調べるための調査を行ったところから実験が続いていった。どのような工場でも生産性を上げることは、ビジネスにとって大事なことです。そのためには、色々な角度からの要因と生産性について調べる必要があります。

最初にした照明での実験では、照明の明るさから作業効率が上がるのではないかと考え行われたものです。

実験方法は単純で、常に明るい場所と照明を少しずつ落として場所とに分かれて作業をします。結果は、予想通りになるときもあれば、照明が暗くても作業効率が上がるということもあった。その後も同じ内容で実験を3回繰り返してみたが、結果が変わることは無く何も得ることが出来なかった。

予想通りの結果が出なかったことに疑問を感じて、さらに実験は進められていくのです。確実に結果を残すために、ハーバード大学から応援を呼んで実験に取り掛かります。

次に行われた実験は、工場内のラインでリレーをして組み立てをしていく作業で調査しています。調査期間は2年以上。6人で1グループになり、環境を変化させてそのラインの生産性を見ていくといったものでした。これも長期にわたっての実験だったにも拘らず、元の状態に戻しても生産性は上がった。

この2つ目の実験で、考えられる要因がある。実験をするうえで特別に選ばれた従業員であったため通常とは違った気持ちで仕事に取り組んでいた。その選ばれた作業者たちは仲が良く、仲間意識が強く出た。最初から作業員は実験の内容を知っていた。

今回の実験での状況を整理して、また次の実験に進んでいきます。

次に行ったのは工場の従業員2万人以上との面接です。初めは、普通に投げかけた質問に対して答えてもらう一般的な面接でした。しかし、それでは実験に全く役立つ内容にはならなかったのでやり方を変えてみた。従業員が自由に意見を言うことができるオープンスタイルにしたところ、いくつかの状況が見えてきた。

実験をして、人の感情を認識することは非常に難しく、その感情と行動は繋がっていて切り離すことはできないことを強く思った。そのため、従業員の労働環境は大事であり職場の人間関係によって非常に影響されるということがわかったという。

そして最後の実験では、これまでの実験を踏まえて人間関係がどのように影響を与えるのかを注目した。今回は、バンク配線での3つのラインにそれぞれグループ分けをして作業します。

すると自然にグループ内で小さい集団が出来ることがわかった。その自然に作り出された組織には特別なルールがあり、他のグループに対しては壁を作るが監督する人に対しては共有・共存していた。グループ内で社会を作り、グループに合わせて行動することで一人ひとりの生産性が制限され出来上がりにも影響が出た。

全ての実験結果から分かったことは、人間関係によって一人ひとりの感情から作り出す社会のルールや作業効率、生産性は組織によって目的を決めて運用されていると言える。環境と生産性や作業効率は結びつかないことで実験は失敗したように思うが、この失敗した問題を解決することで答えが出たとも言えるでしょう。

 

では、実際に社会やビジネスでホーソン効果を利用するにはどうしたら良いのか。従業員のやる気を上げるために必要なことは、上司が部下の仕事ぶりを褒めるようにします。褒めると言っても、間違ったことを褒めては意味がありません。部下の仕事を見て、「いつも頑張ってくれているね」など簡単なものでいいです。その一言があるだけで、確実にやる気を上げることになるでしょう。

ビジネスの中でも、パソコンに向かって仕事をするネットビジネスがあります。作業している姿は、一人かもしれませんがホーソン効果が必要なビジネスです。ネットビジネスで成功している人は、必ず誰かと繋がっているからです。

ネットビジネスにおいて情報無しではできません。目まぐるしく変化し続けるネット業界です。いま現在の情報や知識は、数年後には古くなっています。もしかしたら、明日には新しい情報が出るかもしれません。

そんなネットビジネスにホーソン効果を出現させるか、どのように活かすことが出来るかが成功するための秘訣になります。ホーソン効果の重要なポイントは、やはり人間関係にあります。ネットビジネスで効果を得るには、まず仲間を見つけファンを作ることです。

ネットビジネスの初心者に多いのが、なかなか稼ぐことが出来ずに一人で奮闘し挫折をする。仲間を作ることもなく、ホーソン効果を利用する前に諦めてしまうのです。仲間やファンを作り、自分一人ではなく誰かに見られていることでホーソン効果を発揮させる。やり続けることが大事で、失敗を恐れることなく諦めなければ成功への道へ進むでしょう。

人は、誰かに見られることで隠れた能力を発揮することがある。ただ、周りの環境に左右されやすいので、付き合う相手を自分で選び人間関係を築き上げていきます。そして、自分の目標を決めて周りに宣言しましょう。きっといつもと違う日常に新鮮さを感じ、充実した一日を過ごすことが出来ます。

では、ありがとうございました。